事業本部別事業概況
高機能材事業本部
事業内容
高機能材事業本部は主にPVC、PC、PET等の汎用樹脂板や磁性材を製造販売するプレート事業、マイクロモータを製造販売するモータ事業、また、超微粒子、エンプラ素材、アセテート板を扱う関係会社で構成されています。長い歴史の中でお客様の高い要求品質に応え、基本性能の向上に加え様々な機能付与を行うことで、差別化された製品を国内外に展開しています。半導体や液晶・有機ELパネル製造設備など産業基盤を支えるものから、カメラやメガネなど生活を豊かにするものまで幅広い分野に製品を提供しています。
市場環境
次世代通信規格5Gの本格運用開始、新型コロナウィルス対策によるテレワークの推進などにより、スマートフォンの買替え需要や、データセンターの能力増強など、当部門の主要な向け先である半導体・FPDの分野でますますの需要増が見込まれます。また、小型化、省エネ化を求めるモータ市場も拡大していきます。

(単位:百万円)
2018年度 実績 |
2019年度 実績 |
2018年度比 | |
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売上高 | 18,935 | 17,267 | △1,668 |
営業利益 | 1,874 | 1,313 | △561 |
2019年度の取り組み実績(成果と課題)
高機能材事業セグメントは、主力の工業用プレート関連が半導体設備投資減退並びに米中貿易摩擦の影響を受け、第3四半期まで厳しい状況が続き、売上高17,267 百万円(8.8%減)、営業利益1,313 百万円(29.9%減)となりました。一方生産面は今後想定される半導体製造装置向けPVC材料の高水準な需要増に対応すべく、速やかに増産に移行できる体制づくりを進めました。また、濾過板、エンプラ素材は増産投資を決定しました。課題は超微粒子加工事業、モータ事業での新製品開発促進と新市場への早期参入です。
環境配慮型製品の開発について
持続可能な社会を実現するための取り組みとして、バイオマス由来の再生可能資源やリサイクル材の活用を主体に製品開発に取り組みました。具体的には、バイオポリカーボネートやセルロース系材料のそれぞれの持つ機能に着目した製品、リサイクル材に独自の配合技術を加え新たな付加価値をプラスした製品を開発中で、早期の市場投入を計画しています。
長期に目指す姿(環境面、グローバル展開など)
プレート事業は顧客満足を提供し、かつ、安定した収益を得つつ、永続的に発展していきます。モータ事業は高機能化、差別化を徹底的に図り、先見性のある戦略を持って高収益を目指し飛躍的に発展していきます。海外展開を推し進め、お客様と共に世界のすべてのエリアで事業を展開していきます。

主要事業の概況
プレート事業
PVC、PET、PC各樹脂原料からなるプレ―ト製品を中間素材としてご提供することにより、世界中の多岐にわたる産業分野でご使用いただいています。
市場の状況
主力の半導体製造設備分野は、メモリー需要減退等により、ここ数年需要低調となっていましたが、今後5G、IoT等の普及により加速度的に拡大する市場と見込まれます。
事業の状況
半導体・FPD向け需要が低迷する中、レーザ遮蔽プレートの拡販等、新規分野へも注力し、一定の成果を挙げるとともに需要増大に備え、生産能力の向上を図ってまいりましたが、事業全体としては十分な成果を上げることはできませんでした。
今後の重点施策
堅固なサプライチェーンを維持発展させ、その中で常に顧客ニーズに応えていけるよう、生産能力の向上、高品質の追及を実施するとともに、新規分野への展開も加速してまいります。

半導体ウェハ処理装置(イメージ)
モータ事業
モータ事業では、小型化が可能で、省電力かつ応答性に優れる独自技術を用いたコアレスモータをグローバルに提供し、幅広い分野の製品にご使用いただいています。
市場の状況
用途は、医療、カメラ、ホビー製品、産業用等、多岐にわたる分野となり、コアレスモータの長所を活かせる市場は、今後も順調な拡大が予測されます。
事業の状況
市場の拡大に伴い、競争が激しくなる一方、弊社製品はお客様に高い品質評価を頂き、またニーズへのきめ細かな対応とスピード力により、需要が増加しました。このため、増産体制を整え、堅調な実績を残すことができました。
今後の重点施策
市場のニーズにさらに対応していくために、ギアモータやエンコーダ付きモータ等の機能性を向上した製品のラインアップを拡充し、販売強化に取り組みます。

価値創造モデル 半導体・FPD製造設備向けFM/制電プレート(PDFでご確認頂けます)
