新しい働き方と働く人々の成長にむけて
充実人生 経営宣言

社員一人ひとりが充実した人生を送ることが、会社の継続的な成長に繋がります。少子高齢化により労働人口構造が変化を迎える中、企業が競争力を高めていくためには、多様な人材が持てる力を十分に発揮し、社員と会社がともに成長できる環境の構築が必要となります。そのためには社員に一律なロールモデルを期待するのではなく、個性を活かせる良質な職場の提供が必要です。2019年4月1日、当社は経営の中長期的な重要施策として、社員に対する想いを表した「充実人生 経営宣言」を制定しました。良質な職場の構築に向けた重点的な施策として「多様な働き方支援」、「働き甲斐支援」、「健康増進支援」を掲げ、新たな企業風土の醸成に努めています。2020年度は、新たに「健康経営」の要素を取り入れ、会社の成長と企業価値向上のため、「充実人生 経営宣言」の取り組みを強化していきます。
求められる人材像

リーディングカンパニーとして成長するために
経営統合2年目の2018年度に20代から50代にわたる世代ごとの社員がチームとして参加したプロジェクト「もっとしゃべろか」において、「求められる人材像」の具体化を行いました。
当社の「求められる人材像」は「Communicate」、「Commit」、「Be Proactive」で表されるように当事者意識を強く求めています。社員一人ひとりが業務に対して責任を持ち、投げ出すことなく最後までやりきること、そして業務の達成により自らの存在価値を高められる人材の育成を進めています。
- 「Communicate」
- 社内外全ての人に積極的にコミュニケーションを図り、自分の想いを伝えられる人材
- 「Commit」
- 自ら考え自ら行動し、そして責任を果たす人材
- 「Be Proactive」
- 事態を先取りし、積極的に新たなビジネスやイノベーションを実現できる人材

充実人生 経営宣言 重点施策
社員の充実した人生を支援するために、重点施策を中心に制度の制定や活用の促進に取り組んでいます。また、社員アンケートを実施し、取り組みの効果を検証しています。

1)多様な働き方支援
社員個々のライフステージに応じた働き方ができる職場を目指し、「時間単位年休制度」、「在宅勤務制度」等の制度を導入しています。新型コロナウイルス感染防止対策では、「在宅勤務制度」の対象を在宅で業務が可能な全社員に広げてインフラ整備を行い、「時差出勤」も併用し、今後も継続する予定です。
男性社員の育児休業についても、取得しやすいよう短期間育児休業制度を設けることで、2019年度の取得率は大きく上昇しました。2020年度は目標を75%以上とし、多様な働き方の支援を進めています。
育児休業取得率
2019年度(女性) | 2019年度(男性) | 2020年度(男性社員目標) | |
---|---|---|---|
年度内に対象となった社員数 | 7 | 32 | ― |
取得者数 | 7 | 29 | ― |
取得率 | 100% | 90.6% | 75%以上 |
育児休業を取得した社員の復職率
2019年度(女性) | 2019年度(男性) | |
---|---|---|
年度内に育児休業を終了した社員のうち、職場復帰した社員の割合 | 100% | 100% |
育児休業取得者の定着率
女性 | 男性 | |
---|---|---|
2018年度に復職した方が12か月経過時点で在籍している総数および率 | 6名 100% |
10名 100% |
2)働き甲斐支援
社員の働き甲斐を支援する仕組みとして「キャリア面談」「ジョブローテーション制度」を実施しています。「キャリア面談」は上司との面談を通じてキャリア開発支援を実現する仕組みで、社員自らが考えたキャリアビジョンシートを基に、毎年将来のありたい姿やキャリアに対する思いを上司と部下で共有した上で、行動計画を作成し、成長プロセスの確認を行うものです。「ジョブローテーション制度」は入社5年を目安に異なる部門へ異動を行う制度で、様々な経験が成長に繋がることを期待しています。これらの仕組みを通じて、会社からの期待とキャリアに対する熱意が、社員の充実した仕事と働き甲斐に繋がるように支援しています。
3)健康増進支援
心身ともに健康に働くことのできる職場の実現を目指して、健康増進につながる仕組みとして有給休暇取得奨励金制度を導入しています。この制度により社員全員が積極的に有給休暇を取得することで、心身ともにリフレッシュし、健康で活力あふれる働きができるよう支援しています。社員の有給休暇取得率については2020年度目標を80%以上とし、計画的な有給休暇の取得を奨励しています。
また、社員の健康増進に向け、健康診断検査項目の拡充、特定保健指導の周知や勧奨、オンライン禁煙プログラムの全額補助やストレスチェックの実施により、社員の健康に対する意識の醸成も図っています。
有給休暇取得率
2018年度 | 2019年度 | 2020年度(目標) |
---|---|---|
62.4% | 91.2% | 80%以上 |
特定保健指導実施率
2018年度 | 2019年度 | 2020年度(目標) |
---|---|---|
― | 40.9% | 60%以上 |
喫煙率
2018年度 | 2019年度 | 2020年度(目標) |
---|---|---|
― | 35.2% | 30%以下 |
当社は、2020年3月に「健康経営優良法人2020」に認定されました。ホワイト500の取得を目指して「充実人生 経営宣言」の取り組みを強化してまいります。
男性社員育児休業取得者の声
安富工場 製造グループ 上玉利 潤
同僚や先輩、上司に温かく送り出され、製造部門では先陣をきって短期間の育児休業を取りました。育休中は妻にはゆっくり休んでもらおうと家事や育児に取り組みましたが、育児の大変さを改めて実感しました。今後は後輩たちが育休を取得しやすいような環境づくりができたらと思います。
ダイバーシティ&インクルージョン
年齢、性別、国籍問わず、多様な人材を受け入れ、様々な価値観や意見を理解し、尊重することが、組織の活性化や社員の成長に繋がると考えています。
まずは、「ダイバーシティ&インクルージョン」の考えを社員一人ひとりがより一層理解するための社内教育を実施し、個々人の様々な価値観や違いを尊重し全ての人々が持てる力を十分に発揮できる企業風土を醸成していきます。
1)シニアの活用(定年退職者の継続雇用)
定年退職の後に、当社で再雇用を希望する社員については、継続して活き活きと働くことを支援するため、業務内容や勤務日数など社員の希望を考慮した上で職場を提供しています。
また、50歳代の社員に対しては、定年退職後の生活設計や意識の持ち方を学んでもらう場として「セカンドライフセミナー」を実施し、定年退職後も公私に充実し、さらに活躍が可能な仕組みを構築しています。
定年後の継続雇用状況
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|---|
定年退職者数 | 17 | 17 | 20 |
再雇用者数 | 10 | 15 | 16 |
再雇用率 | 59% | 88% | 80% |
2)障がい者雇用
障がい者の雇用を支援していくことは多様な人材活躍の一つとして捉えており、各事業所において雇用を進めています。
加えて、2019年6月から「わーくはぴねす農園 さいたま岩槻ファーム」において、野菜の栽培や収穫を行い、障がいのある方の就労意欲の向上を支援しています。採れた野菜は社員に大変好評で、食べた社員からの感想は農園で働く皆さんのモチベーションアップにも繋がっています。

農園で働く社員の皆さん
障がい者雇用率
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|---|
障がい者雇用率 | 2.11% | 2.11% | 2.26% |
法定雇用率 | 2.00% | 2.20% | 2.20% |
3)女性活躍推進に向けた取り組み
女性活躍推進法に則り、行動計画を定め社内外に周知するとともに、性別に関係なく誰もが活き活きと働ける職場の構築を行っています。
「女性活躍推進 行動計画」
2018年4月~2021年3月
(1) 新卒採用における女性比率を30%以上とする。
(2) 女性社員が不安なく活躍できる組織風土を醸成する。
- ●柔軟な働き方を支援する制度を導入する。
- ●キャリア形成を支援するシステムの構築。
- ●意識改革に向けた研修の実施。
新卒採用女性比率
2018年入社 | 2019年入社 | 2020年入社 | |
---|---|---|---|
新卒採用数 | 12 | 14 | 11 |
女性 | 4 | 4 | 6 |
女性比率 | 33% | 29% | 54% |
社員の構成

取締役会・監査役会の構成*
取締役会 | 監査役会 | |||
---|---|---|---|---|
2019年 | 2020年 | 2019年 | 2020年 | |
合計 | 9 | 8 | 3 | 4 |
男性 | 9 | 7 | 3 | 3 |
女性 | 0 | 1 | 0 | 1 |
*各年開催の定時株主総会後の構成
人材育成のしくみ
社員の成長が会社の成長の源であるという考えの下、社員の成長につなげるための仕組みの中核として「目標達成度評価」と「能力評価」の2つを設けています。
目標達成度評価は、全社員がそれぞれの所属している組織の目標に合致した個人別の目標を設定し、最終的な達成度合いに応じて評価を行うものです。当初の計画通りに進んでいるか、上司が随時面談を行いアドバイスすることで、目標達成への支援を行うと同時に相互の信頼関係を構築していきます。社員はこの目標達成度評価を通じて、会社への貢献や自身の成長を実感することになります。
能力評価はそれぞれの職種・等級に予め必要とされる能力が設定されており、その能力がどのように発揮されているかを個人別に評価する仕組みです。この仕組みを通じて自分自身の強みや成長させたい点、さらにステップアップするために必要な能力を把握することが可能になっています。
2つの評価制度の結果を踏まえて「キャリア面談」を実施し、上司と本人が密なコミュニケーションを図り、共にキャリアを考えることで、自分自身が進んでいきたい方向を具体化し、さらに上司は社員のキャリアに沿った育成計画を立案することで成長を支援しています。
教育・研修
会社の価値向上を支える社員として成長するために、また社員が自ら成長するために、教育体系を定め、様々な成長の機会を提供しています。職種・等級による必要な能力を育成する研修、グローバル人材として活躍するための教育制度、自己啓発を支援するための通信教育や資格取得奨励金制度等、社員のキャリアプランに応じた教育プログラムを構築しています。
グローバル人材育成体制
社員にグローバルに活躍してもらうため、TOEIC IPテストの受験料支援による受験促進やeラーニングを利用した英語学習支援、また選抜研修としてマンツーマン英会話を実施する国内英語研修、海外での語学留学制度や実務研修制度を実施しています。
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、対面で実施していたTOEIC IPテストとマンツーマン英会話をオンラインでの受講に切り替えて実施します。
グローバル人材育成で
実施したプログラムと人数
2019年度 実施内容 | 人数 |
---|---|
海外実務研修 | 1名 |
海外語学留学 | 2名 |
国内英語研修 | 14名 |
英語eラーニング | 91名 |
TOEIC IP L&R Test | 71名 |
海外語学留学制度
(イギリスでの研修)

新入社員研修
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、集合研修および工場実習は取り止め、1ヶ月間のオンライン研修を実施いたしました。Web会議ツールを用いたビジネスマナーやマーケティングなどの導入研修を通して、社会人および当社社員として必要な知識の習得を支援しています。
配属後は、新入社員の成長や適応状況、新入社員が自分自身の今後のありたい姿を確認するため、入社半年後に「新入社員フォローアップ研修」を実施しています。
新入社員指導育成担当者研修
新入社員の業務上の悩みや精神的なサポートを行うメンター(育成担当社員)の育成に向け、入社数年の先輩社員を対象とした「新入社員指導育成担当者研修」を実施しています。
社員のスキル向上のために実施したプログラム
研修名 | 目的 | 内容 | 対象 |
---|---|---|---|
充実人生 経営宣言 マネジメント研修 | ●「充実人生 経営宣言」・「求められる人材像」の本質の理解 ●組織成長に向けたマネジメントスタンスの構築 ●キャリア面談に必要となるスキルの習得 |
●「充実人生」や「求められる人材像」に関して管理者がやるべきことを考え、意見交換を行う。 ●自身のキャリア面談について振り返る。 |
管理職 |
管理職候補者研修 | ●自己の能力特性の理解 ●マネジメントスキルの習得 |
●アセスメントにより自己の能力特性を診断し、自己能力開発のためにアクションプランを作成・実践する。 | 管理職候補者 |
セカンドライフセミナー | ●定年退職後の働く意義の見出しと意欲の向上 ●セカンドライフプラン検討の機会の提供 |
●これまでの自分自身を見つめ直し、これからの役割を考える。 ●マネープランを考える。 |
55歳~57歳 |
経営シミュレーション研修 | ●財務諸表のしくみと分析方法、および経営数字を良好にする意思決定の理解・習得 | ●PCを利用し、企業活動の疑似体験をする。各グループで会社を疑似経営し、経営成績を上げるために、様々な意思決定を行う。 | 入社8年目・9年目 |
循環型社会体感研修(モリウミアス研修) | ●主体的行動力の育成 ●企業活動とSDGsを関連して考える人材の育成 |
●漁業や林業等を通して、循環する暮らし、集団生活、および第一次産業を体験する。 | 入社4年目 |
新入社員指導担当者育成研修 | ●新入社員育成における必要スキルの理解・習得 ●指導育成を通して指導員も成長できる関係の構築 |
●指導者としての役割や育成指導の進め方の枠組みを理解し、指導方針・育成計画を作成する。 ●相手に応じた指導やフィードバック、面談スキルを学ぶ。 |
新入社員配属部署の社員(選抜) |
新入社員研修 | ●社会人としてのマインドセット、および成長への動機付け ●仕事の基本行動の習得 ●チームワークとコミュニケーション力の習得 |
●社会人としての仕事理解と心構えを学ぶ。 ●ビジネスマナーを学ぶ。 |
新入社員 |
※本ページの数値データはいずれもタキロンシーアイ単体