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代表取締役社長 齋藤一也

サステナブルな社会を実現する。

新たな高みを目指す次のステージに入った
タキロンシーアイグループは、
サステナビリティの分野でも
その存在感をさらに高めてまいります。

代表取締役社長

齋藤一也

前中期経営計画のレビューとビジネス環境の変化

タキロンシーアイグループとして1期目となる中期経営計画、それが「Good chemistry Good growth 2020」でした。当計画のスタート時は国内外ともに比較的堅調な経済環境にあり、経営統合直後としては順調な滑り出しができましたが、後半に入ると新型コロナウイルスの影響により社会・経済活動が制限され、ビジネス環境に大きな変化と中期的な停滞が訪れました。

当社の事業活動へのマイナス影響も多方面に発生しましたが、幸いなことに事業の総体としては軽微であったと思っています。むしろ、必ずしもマイナス影響ばかりではなく、コロナ禍であればこそ生まれた新たな需要、例えば飛沫防止パーテーションや抗菌・抗ウイルスタイプの建築資材などのマーケットのニーズ対応という新たな価値創出も少なからずありました。加えて、組織の危機管理システムの方向性に間違いがなかったことが再確認できたことや、従前に試行中であったテレワークやフリーアドレスなど社員の新しい働き方の制度化を加速させる契機となったことなど、基盤整備にも有益な面がありました。

前中期経営計画は統合シナジーを大きく見込んだかなりチャレンジングな目標を掲げていたこと、そして新型コロナウイルスによって社会全体が大きく揺れたことも重なり、定量面の目標は残念ながら未達という結果に終わりましたが、将来につながる成長投資とさまざまな変革については十分に推し進めることができました。

特に変革の柱と位置付けていた「システム統合」を完了できたことによって、共通する一つのモノサシでそれぞれの事業の効率性や収益性を測れるようになったことは非常に大きな成果です。システム統合のほかにもポリカーボネートの生産拠点集約や工場・研究拠点の統廃合、販売体制の最適化、国内外の生産設備の増強など、定性面においてはこの4年間で成すべきことはほとんど実現することができました。唯一積み残したと言えるのは新規領域への投資、将来の柱となる事業の創出です。このような前中期経営計画の積み残しは現中期経営計画「変革への決意 CX2023」に引き継いでおり、経営統合時に掲げた当初の想いを必ず完遂したいと考えています。

反省すべき課題を認識した上で今回の経験を活かし、ビジネス環境が刻々と変化する中であっても着実に成長し企業価値を向上させていく歩みを止めない使命をあらためて肝に銘じています。

代表取締役社長 齋藤一也

企業理念を再整理し、全役職員のマインドセットを促す

経営統合後初の中期経営計画で達成すべき定性目標を概ね実現できたことは、タキロンシーアイグループとして、さらにステップアップするため次のステージに入ったことを意味します。

2021年度から始まる新たな中期経営計画に連動して「長期ビジョン」の策定と同時に企業理念の再整理に着手しました。2020年度は、創業から101年目に当たり新たなスタートを切るべき年であったこと、機能・組織の統廃合や最適化などの目の前の課題を解決できたこと、新型コロナウイルスの影響で社会経済そのものに大きな変革が起こったこと、カーボンニュートラルなど10年後の2030年が節目の年であったことなどを踏まえ、グループの全役員・全社員のベクトルを一致させる絶好の機会であると考えました。

本来の企業理念の姿である、社員が困難や悩みに直面した際の拠りどころであり、企業にいかなるビジネス環境の変化が訪れても何度でも立ち返ることのできるものを意識しています。

新たに設定した「グループ企業理念」は「使命」と「実現したい企業文化」により構成されます。

当社の「使命」と位置付けている「人と地球にやさしい未来を創造する」というメッセージは、従来の「プラスチックテクノロジーで、人と地球にやさしい未来を創造する」から継承したものですが、多様な分野で社会に貢献していく社会課題解決型の企業であるという姿勢を明確に示すため、基本的な想いはそのまま残しつつ、よりシンプルなものに変更しました。また、「実現したい企業文化」として「重ねていく誇りと変革する勇気」を新たに定めました。当社が100年の歴史を刻むことができたのは、技術を磨き、社会やお客様の信頼に応え続けてきたからこそのもの。このことを誇りとしつつ、「現状に甘んじず自らを常に変革し続ける」という風土を育んでいく姿勢を示しています。

一方、グループ初の長期ビジョンである「タキロンシーアイ2030ビジョン」は、今から10年後の2030年を目標年とし、タキロンシーアイグループが「10年後にありたい姿」を描いたもので、『創造的進化で地球の未来に確かな「安心」と「心地よさ」をとどける企業グループ』と定めました。もちろん「ありたい姿」が言葉だけで終わることのないように「長期目標」として具体的な数値目標を設定し、2030年に「売上高2,000億円、営業利益200億円、営業利益率10%」を達成できる企業を目指します。

2021年から始まる中期経営計画「変革への決意 CX2023」は、2030年の長期目標へ向けてのスタートであり、次の100年への第一歩でもあります。このタイミングでグループ企業理念として再整理することで、グループ一丸となって使命の実現と長期目標の達成を目指す下地ができたものと思います。今後はこのグループ企業理念を社員の間に深く浸透させ、理念を理解した社員の行動をもって社会に対してタキロンシーアイグループの価値を広く伝えていきます。

変革の決意を示した新中期経営計画「Commit to Transformation2023」

2021年4月よりスタートした中期経営計画「Commit to Transformation2023(変革への決意 CX2023)」について3点のポイントをお話しさせていただきます。

1点目は長期的視点に基づくものであるということです。長期ビジョンと長期目標からバックキャストする3つの段階のうち、最初の3年間を「Phase1」として当社が取り組むべきこと、その具体的なターゲットを示したものがこの中期経営計画です。短期的なビジネス環境の変化への対応はやむを得ないことですが、長期的視点の軸は変えないものと考えています。

2点目は変革です。グループ企業理念とも通じるCX2023のXとは、「変革」や「交差(超える)」を意味する「Transformation」を簡略表記したものです。テーマである“変革への強い決意”を広く社員の心に届けたいという願いが込められています。「現状に甘んじず自らを常に変革し続ける」という風土を全員で認識し実行していきます。

3点目は実効性ある方策です。具体的な目標(KPI)と「6つの重点実施項目」を設定し、その実現の支援のため「2つの成長原資の設定」「2つの支援体制の新設」を行いました。これは、前中期経営計画において多くの課題が解決できたものの定量的な目標が未達成に終わってしまったことへの反省に立ち、“必達”を強く意識しています。一方で一度決定したものであっても、社会の変化に応じて柔軟に見直し、臨機応変に対応できる体制としました。目標へ至るロードマップ上で、いま当社がいる現在地はどこなのか、それは正しい道を歩んでいるのかを常に注視しながら適正な状況判断を行っていくことが非常に大切なことだと考えています。

中期経営計画の根本にあるのは、タキロンシーアイグループが創業以来ずっと「事業を通じて社会課題の解決を提案してきた企業」であり、今後も社会課題解決型企業であり続けるために、これから先も変革し続けることが必要であるという想いです。

社会情勢は常に急速な変化を続けており、価値観の多様化はますます加速しています。当社としても現状に満足することなく、新事業領域の開拓や新製品・新技術の開発などを通じて、これまで存在しなかった課題も解決できる手段とスキルを獲得していかなければいけません。多様な価値観を受け入れ、時には異業種他社とのコラボレーションも辞さないなど、社内外のあらゆる力を効率的に活用していく必要もあるでしょう。

タキロンシーアイグループとしてのDXやカーボンニュートラルの対応を着実に進めていくことも欠かせません。いずれも単なる技術や実務の実装に終わらせることなく、ビジネスモデルの変革にまでつなげていくことができるよう専門部署を設置し戦略方向性を描くための体制整備を始めています。

グループ経営の再整備も重要なテーマです。現代の企業経営においては連結決算の重要性が投資家から指摘されていますし、グループの総合力を結集することなしに、この先の社会の変化に対応することはできないだろうと考えています。このグループ経営強化の第一歩は、強靭な経営基盤を整備することに他ならず、当社の経営の礎はなによりも「人財」と考えていますので「充実人生 経営宣言」を経営方針として推進している企業として、従業員の人生がより良いものであるように、働き方に関する制度や働く場であるオフィスの環境整備をさらに進めていくつもりです。

重点実施項目

なぜ、いま。サステナビリティなのか。

タキロンシーアイグループは、サステナビリティ活動の指針として、2021年9月にタキロンシーアイグループ・サステナビリティビジョン【今日を支える、明日を変える】を策定しました。

これは、グループ企業理念を再整理し、新たな長期目標と中期経営計画の下で次の成長を目指して動き出した今こそ、社会課題解決型企業を標榜してきた当社がサステナビリティについても再構築する時期にあると考えたためであり、まず最上位に位置するビジョンを示すものです。

このサステナビリティビジョンの根底にあるのは、「自らが長期的かつ持続的に成長していくことが、社会全体のサステナビリティにつながる」という想いです。当社の使命に基づき事業を通じてサステナブルな社会の実現に貢献していくことが当社のサステナビリティ活動の本質に他ならないと考えており、このビジョンの下、人々の今日の暮らしを支え、明日の暮らしを豊かで快適にするために人と地球の未来にやさしいものづくりの継続を目指します。振り返ってみれば、これまでにずっと使い続けてきた企業メッセージが、既にサステナビリティの想いを体現してきたのではないかと思っています。

個々のサステナビリティ活動も同様です。既にこれまでに取り組んできたもの、従前より推進してきたものによって当社のサステナビリティ活動が殆ど包括されています。その中核が後述するESG経営の推進ですが、その他の代表的なものが2018年度に開始した「充実人生 経営宣言」に基づく働き方改革への取り組みです。

宣言から3年間の取り組みが功を奏し、社員が充実した人生をおくるための制度を、ほぼ整備することができたと思っています。今後は各種制度に対する社員の認知度を高め、一人ひとりの人生プランに合わせてうまく活用していただくという一つ上の段階に対策をステップアップしていく必要があります。社員への意識浸透を効率よく進めて行くために「充実人生 経営宣言委員会」という社長直属の専門組織を2020年度から稼働させ、より一層社員一人ひとりの人生に寄り添った活動に発展させていく予定です。

さらにサステナビリティ活動で特に注力しているのがバリューチェーン全体に及ぶ人権と多様性の尊重です。今後は対象範囲をグループ内からバリューチェーン全体に広げ、常に厳格な監視が可能となる体制が必要です。原料に鉱物を使用している背景を考慮し、紛争鉱物の問題も視野に入れる必要があるでしょう。そこで、調達における人権への配慮と多様性の確保を強化すべく、2020年度にサプライヤーに対してCSR調達視点からのレビューを改めて実施するとともに、人権と多様性に配慮したCSR調達方針を新たに制定しました。今後は、サステナビリティに関する専門組織の新設や人材育成に力を入れ、積極的なサステナビリティ関連投資にも取り組んでいきます。

ESG経営の実践と高度化

コロナ禍以降は、世界中で新型コロナウイルス感染症の克服が目前の最大の社会課題となっていますが、地球規模で平均気温は確実に上昇しており、なおかつ近年の異常気象の多さを考えると気候変動のリスクは依然として「まったなし」の状況にあります。

当社は、気候変動問題の解決に向けた具体的な取り組みとして、事業に伴うCO2の排出量を2030年度までに2018年度比で30%削減するという、非常にチャレンジングな目標を定めました。この新たな削減目標については、科学的根拠に基づいた実現可能な目標であることを社内外に証明するため2022年中にSBT認証の取得を目指しています。

また、2021年5月には、TCFD提言への賛同表明も行っています。今後は、TCFDが推奨しているIEAのシナリオを参照しながら、中長期のシナリオ分析を実施し、気候変動に対する当社のリスクと機会を明示するとともに、組織としてのガバナンス強化を図っていきます。

目標達成に向けた具体的な施策も明確化しており、短期的には製造工場を中心に各種の省エネ施策を強化することによってCO2排出量の削減を可能な限り推進していきます。そして長期的には「脱炭素」も視野に入れ、太陽光パネル設置や調達電力についても、徐々にではありますが再生可能エネルギー由来のものに切り替えていきます。また、現状は廃棄物となっているものを可能な限りリサイクルすることで廃棄物処理段階のCO2を減らせることから、効率的なリサイクルループの構築も重要な施策になると考えています。

一方、SBT認証やTCFD提言に沿ったCO2削減を進めていくためには、タキロンシーアイグループ内だけではなく、バリューチェーン全体におけるCO2削減や脱炭素の動きにも目を向ける必要があります。当社はこれまでも環境に配慮した事業活動に力を入れてきましたが、2020年度にCSR調達方針を制定したことを機に、調達活動においてもさらに環境負荷の低い原材料の調達を加速していきます。

国内に目を転じると、2022年4月から東京証券取引所での新市場区分適用がスタートし、現在の東証第一部に相当する市場は主に「プライム市場」と「スタンダード市場」に再編されることが予定されています。そして「プライム市場」は「グローバルな投資家との建設的な対話を企業価値向上の中心に据える企業」向けの市場と位置付けられ、企業に対してより高いガバナンス水準が求められています。

当社は、持続的な企業価値の向上のためにもプライム市場上場を維持する必要があると考えており、プライム市場の上場基準に沿ったガバナンス体制の強化にも着手しています。単なるコーポレートガバナンス・コード全原則の適用ではない、実質的なコーポレート・ガバナンスの向上を志向し、コードの趣旨を汲み取りながら当社にとって相応しいガバナンス体制の構築に取り組んでいきます。2021年8月には社外取締役を中核メンバーとするガバナンス委員会を新たに設置しました。今後も、ガバナンス上の重要課題への取り組みを一層進めてまいります。

代表取締役社長 齋藤一也