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リサイクル材料99%使用のポリカーボネートプレートを発売

プレート・切削用材料 2023年05月19日

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エコマーク認定を取得したリサイクルポリカーボネートプレート PCECOを開発し、2023年2月に発売しました。企画担当の田守礼奈さんと開発担当の濱地晃嗣さんにお話を聞きました。

原料調達から製造までのCO2排出量を約90%削減


- PCECOの特徴を教えてください

田守 PCECO*199%リサイクル材料を使用したエコマーク*2認定商品です。ほぼリサイクル材を使用したポリカーボネートプレートは業界初で、ポリカーボネートの性能である耐衝撃性、透明性を損なうことなく製品化に成功しました。ポリカーボネートの重合工程で使用されるエネルギーが削減できるので、原料調達から製造におけるCO2排出量をバージン材料使用時に比べて約90%も削減することができます。厚さは2㎜、3㎜、5㎜、サイズ1,200mm×3,000mmでご用意しており、ご要望によりサイズカットに対応しています。

PCECO


*1 ピーシーエコ。
PCはポリカーボネートの略
*2 製品やサービスの包装、説明書、ウェブページ等を通して、消費者に分かりやすく環境に関する情報を伝える認証・マークの総称。環境保全に役立つと認められた商品にのみにつけられる環境ラベル


― 開発の経緯を教えてください

田守 20214月に「エコプラプロジェクト」というプロジェクトチームを部内に立ち上げ、環境配慮型製品の企画を進めてきました。製造装置のカバーやパーテーションなどに使用されている産業用のポリカーボネートプレートについて、お客様から環境に配慮した製品を提案してほしいという声がありましたので、今回PCECOをラインナップしたことでニーズにお応えできるようになりました。

高機能材企画開発グループ 田守 礼奈 さん


濱地 工場では、「つくる責任」として社内の製造や加工工程で発生するロスのリサイクルに日頃より取り組んでいて、工場全体でリサイクルの意識が根付いています。既存製品への社内リサイクル材活用推進には以前から取り組んでいましたが、お客様の声を受けて新たに環境配慮型製品の開発に取り組むこととなり、環境ラベルであるエコマークの取得を目指しました。

揖保川技術グループ 濱地 晃嗣 さん

バージン材料は一切使わずに構成


― 開発にあたって苦労したことはありますか?

濱地 仕入れているリサイクル材料は、いわゆるプレコンシューマー材と呼ばれる、製造工程の廃棄ルートから発生する端材や不良品を収集・分別などして、再生工程を経てペレット化されたものです。押出成形に適した物性となるように、複数のリサイクル原料を配合することで、99%リサイクル材で構成することに成功しています。それでもバージン材料とは物性が異なりますので、製造条件の確立に苦労しましたが、構想から約1年で他社に先駆け製品化することができました。

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- 99%とありますが、残りの1%は?

濱地 色相調整用の添加剤です。回収したリサイクル材は透明品であっても、そのままでは色相が安定しないため、一定の色相範囲内となるように顔料を少量添加しています。そのため100%リサイクル品とはなりませんが、バージンのポリカーボネート原材料は一切使用していません。

製造工程(イメージ)


― お客様の評価と今後の展開を聞かせてください

田守 通常品よりも少々コストアップしますが、機械の安全カバー用途で評価が進んでおり、その他にも多くの関心を寄せていただいています。お客様にリサイクル品を使用することによる効果をご理解いただき、製品の価値を認めていただけるよう、引き続きPRしていきます。また、PCECOは屋内使用限定となりますが、産業用に限らずお使いいただける透明プレートですので、幅広い展開が期待できます。第2弾となるエコに貢献する新製品を企画・開発中ですので、今後もどうぞご期待ください。