サステナビリティ

トップメッセージ

自らが長期的・持続的に成長していくことが
社会全体のサステナビリティに繋がる。

代表取締役社長 福田 祐士

歴史に学び、サステナビリティを追求する「決意」

2050 年カーボンニュートラル、循環型社会の実現が叫ばれるなか、お客様のニーズは「リサイクル材を用いた製品」へと変化しています。安く大量に作り、湯水のごとく使って、いらなくなったら捨てるという消費の時代を、ついに根本から見直す時がきました。当社グループが手掛ける樹脂製品の大半は石油由来であり、いつまでもバージン原料を使った生産活動に頼り続けるわけにはいきません。

100年前を振り返ってみると、当社の発祥である瀧川セルロイド工業所は、もともとセルロイドの再製事業を行っていました。再製セルロイドとは、セルロイド生地を加工する際に出る端材を原料として、再び生地に仕立て上げたもの。新製生地と全く遜色ない仕上がりが高く評価され、業容拡大のきっかけになったと伝え聞いています。当社の黎明期にサステナビリティの思想が存在していたことへの驚きと誇らしさを感じています。同時に、この思想が現在まで脈々と当社に生き続けており、我々の事業活動の根幹となっています。

リサイクルというテーマは一筋縄ではいかない難しさがあり、材料調達の面、コンパウンドや成形技術の改良にあたって大変な胆力が要るのですが、あらためて過去の取り組みに学び、知恵を絞って難局に立ち向かっていきたいと思います。

ステークホルダーの皆様の声に耳を傾ける

2021年度までのCO2削減実績が順調に進み2023年度のCO2排出量削減のKPIを前倒しで達成したことから、2022年度上期にカーボンニュートラルの目標の見直しを実施しました。2050年カーボンニュートラル(実質排出量0)を目指すことを表明した上で、その中間目標である2030年度に排出する温室効果ガス(GHG)削減の目標については従来目標を上方修正し、Scope1・2については2018年度比35%削減、Scope3についてはサプライチェーン全体での排出量削減に取り組むものとしました。自社の事業活動において工場使用電力を徐々に再生可能エネルギー由来に切り替えながら、サプライチェーン全体を通じたCO2排出量の管理を進めます。また、気候変動対応については2021年5月のTCFDへの賛同表明を経て、2022年9月にはTCFDの枠組みに沿った気候変動がもたらすリスクを精査し、戦略・シナリオを開示しました。

課題は、成長戦略と環境対応をどのように両立させていくかということです。環境対応が単なるコストとして利益を圧迫し、成長を阻害するようなことは望ましくありません。しかし、中長期に見てリターンがあれば、環境“ 投資” として有意義な支出になり得ます。ステークホルダーの皆様から求められているのは、社会のサステナビリティと自社の持続的な企業価値向上の双方を追求することだと認識していますので、投資と成果のバランスを見極めながら進捗させていきます。

サステナビリティ経営とは社会起点でビジネス・経営を考えることであり、社外とのつながりを重視し、ステークホルダーの皆様と対話を重ねることが不可欠です。ここで得られたご示唆を、マテリアリティや中期経営計画、日々の事業活動の改善に活かしていくことが企業価値向上に資すると考えています。

技術と柔軟な発想で、「明日を変える」企業に進化してまいります

今、100余年の歴史の真価が問われています。重ねてきた歴史のなかで成し遂げてきた仕事への誇りは忘れずに、変えるべきことは変える。既成概念にとらわれず、イノベーションを通じて新たな時代を創造していく勇気を持つ。私たち経営陣は、熱意と責任をもって、この「決意」を社員と共に実践していきます。ステークホルダーの皆様には、私たちの挑戦をつぶさにご覧いただき、忌憚のないご意見とご示唆をいただければと存じます。

タキロンシーアイグループは、サステナビリティ経営を軸に、技術を磨き、柔軟な発想で、着実に成果を出していきます。実直に取り組み続ける誠実さが我々の強みです。ステークホルダーの皆様からのご期待と信頼に応えるべく、『今日を支え、明日を変える』企業として、社会と誠実に向き合い続けてまいります。