サステナビリティ

研究開発の取り組み

中期経営計画「Go Beyond 2026 革新」の主要施策「新製品・新事業の創出」に基づき、特に新たな組織である「新事業推進部」「モビリティ市場開発部」との連携を通じて、コア技術の深化による新製品開発を確実に推進し、事業本部および新組織の製品力強化と事業拡大に取り組みます。既存事業においては、各事業本部とは、「技術シンポジア」や「全社新製品検討会」などの取り組みを通じて連携を強化しています。また、魅力的な事業ドメインと設定した5つの領域に経営資源を集中投下することで、高付加価値分野へのポートフォリオの転換を図り、お客様の期待を越える商品開発を推進しています。さらに、2026年4月新たに開所する三田総合研究所では、超微粒子マテリアル事業や樹脂コンパウンド事業など、重点事業における強化・育成テーマの創出と研究開発も推進します。同時に、知財情報の積極的活用と知財の質の向上を図ることで「守る」だけでなく「攻める」知財戦略へと進化させ、既存事業・新規参入領域双方での競争優位性の向上を目指します。

研究開発戦略の全体像

組織新設による新たな研究開発体制

先述のとおり、新製品・新事業の創出・育成を加速させるため、「新事業推進部」「モビリティ市場開発部」を新設しました。研究開発本部との連携を通じて、超微粒子マテリアル・樹脂コンパウンドなどの上流分野の研究開発、デバイス・モジュールやモビリティ向け部材などの新規参入分野の探索、企画開発を強化してまいります。
また、外部研究機関・大学との共同研究やスタートアップをふくむ国内外企業との協業・アライアンス・M&Aを積極的に推進することで研究開発本部の企画機能を強化し、新事業創出に必要な技術獲得を進めていきます。その中で、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)などの各種プログラムの応募も積極的に進めてまいります。
知財については、2022年度より研究開発本部配下の組織として開発との連携を強化し、特許件数の増加などを図ってきましたが、今後は各事業本部や新組織との連携も強化し、さらなる競争優位性を獲得します。

注力技術

新技術開発件数(特許出願件数)48件(2024年度)

既存事業分野において、当社のコア技術である各種成形加工技術・材料配合技術・分析評価技術のさらなる強化および新規表面機能化技術(塗料設計・コーティング等)の獲得により、主力製品であるフィルム・シート・パネル製品の圧倒的な差別化、独自性の追求を目指した研究開発を推進します。
さらに、今後は超微粒子マテリアル関連技術の研究開発を強化し、超微粒子マテリアル製品の拡充、超微粒子マテリアル技術によるプラスチック加工製品の高機能化を推進し、主力事業強化および新市場・新事業参入を進めていきます。また、当社の事業領域を拡大するべく伸縮機能を持つフィルム基材開発にも注力し、ヘルスケア・メディカル分野・半導体分野への参入を検討しています。環境対応では、プラ新法(資源循環に関する法律)に基づき、単一素材で従来同等の機能を発現するモノマテリアル包材(TOPIC 1)の開発や、今後、全世界で普及していく電気自動車等をターゲットとしたバスバーやマグネットワイヤ(TOPIC 2)の開発にも注力しています。

新製品・環境配慮型製品の創出

新製品開発活動の加速とその進捗の可視化、データ蓄積・活用を目的に、2023年度から全社横断型の開発デザインレビュー(ステップ管理)のDX化を推進中です。進捗の可視化による開発スピードの加速、各種KPI の進捗・集計管理等への活用も含めて、業務効率化につなげていきます。
加えて、さらなる生産性向上を図るべく、研究開発活動における生成AI活用やMI(マテリアルインフォマティクス)活用の取り組みを開始しています。
また、全社活動として進めている環境配慮型製品の開発については、3R+Renewableの観点から、リデュース、リサイクル、バイオマスプラスチック、生分解性樹脂の活用等、積極的な取り組みを進めています。リデュースにおいては、バイオマスフィラーコンパウンド及びフィルムの開発、リサイクルにおいてはリサイクル材活用製品の開発等も推進しています。バイオマスプラスチックについてはマスバランス方式の原料調達のため、主要拠点工場でのISCC(International Sustainability &Carbon Certification)認証取得を進めており、サプライチェーンでの役割を果たしていきます。
当社は保有する配合技術や成形技術をもって、全方位で環境配慮型製品開発をさらに加速していきます。

リサイクル容易なモノマテリアル包材向けポリエチレンフィルムを開発

日用品や食品用のパウチ包材には、強度、耐熱性、バリア性、印刷適性等の観点から複数素材の複合フィルムが用いられていますが、よりリサイクルが容易な単一素材からなるモノマテリアル包材への要望が高まっています。当社が開発中のモノマテリアルポリエチレンフィルムは、材料および製造プロセスの工夫により、融点の低いポリエチレンでは難しいとされていた高耐熱性を実現し、一般的なパウチ包材並みの製袋加工性及びバリア性付与が可能です。加えて、モノマテリアル包材用のジッパーの開発も推進しており、フィルム・ジッパー双方でモノマテリアル包材の実現に貢献していきます。

金属管、金属線への樹脂被覆技術をベースに、電気自動車などをターゲットにした「バスバー※1」「マグネットワイヤ※2」を開発中

農業分野などで活用していた金属管、金属線への樹脂被覆技術をもとに、高機能なエンジニアリングプラスチックを被覆した電気自動車向けのバスバーや高性能モータ向けのマグネットワイヤの研究開発を推進しています。材料及びプロセス両面で当社独自の技術開発も図りつつ、研究開発を進めています。
※1 バスバー:電気自動車等で大容量の電流を導電する導体。銅又はアルミニウムを使用し、絶縁が必要なため、導体に樹脂被覆が必要。
※2 マグネットワイヤ:コイル状に巻かれて使用される電線の総称で、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換するために使われる。モータ、トランス等の部品に使われ、絶縁皮膜で覆われた銅線やアルミ線などが用いられている。

知的財産への取り組み

当社は、中期経営計画「Go Beyond 2026 革新」の主要施策として「新製品・新事業の創出」を掲げていますが、それを支える知的財産への投資についての基本方針を定めています。当基本方針に基づき、下記の4つの活動を行い、知財活動の全社的強化に努めています。

  1. 1競争優位の確立に向けた知的財産創出活動の実践
  2. 2事業遂行を担保する知的財産権クリアランス
  3. 3事業の推進を支える知的財産人材の育成

また、当基本方針に基づき、下記の4つの活動を行い、知財活動の全社的強化に努めています。