研究開発の取り組み
お客様に役立つ機能が発現できて初めて、技術の進歩に価値が生まれます。タキロンシーアイは、耐擦傷性、光・熱制御、伸縮性、高耐久といった分野に注力しています。既存分野における顧客価値のさらなる向上、発現機能を活用した新分野への展開、社会課題の解決に役立つ技術開発を積極的に行っています。
2030年ビジョンの実現に向けた研究開発戦略の全体像

研究開発体制
研究開発部では、3 つの拠点・6 つのグループで各事業本部が有する技術のさらなる発展を加速させ、環境・社会課題の解決や、お客様のニーズ、外部技術との融合から生まれるシーズに対応した新製品・新事業を創出する活動を進めています。
研究開発部門・商品開発部門それぞれの独自活動に加え、部門間で連携することで、新事業の芽を次の成長エンジンに育て上げ、新たな収益の柱となる事業の構築を目指します。加えて、エンドユーザーとの共同開発や、原材料メーカーとの協業、DX の活用により開発のスピードアップを図り、お客様のニーズに応える魅力ある製品づくりを推進していきます。
また、外部専門家によるコンサルティング活用、外部研究機関や大学への派遣を通じて、社外の知見の収集・習得を積極的に行い、人材育成の強化にも努めています。
注力技術
新技術開発件数(特許出願件数) 34件(2021年度)
創造的進化で地球の未来に確かな「安心」と「心地よさ」をとどける企業グループを目指すために、コア技術である高度な材料配合技術、各種成形加工技術、性能・分析評価技術などを活用して、独自性・優位性のある素材やコンパウンドの開発、高付加価値な機能性フィルム・シートの開発、施工技術・新工法の開発、新しい機能を生み出すためのプロセス構築などに注力し、お客様視点での価値提供を目指しています。そのため、独自の機能・特性を持った多彩なフィルム・シート・パネル製品の開発に焦点を当て、素材の可能性を追求しています。また、研究開発過程で成形した材料や素材の分析評価技術を強化することで、製品の品質向上や新製品開発に貢献しています。
新製品・環境配慮型製品の創出
新製品売上高比率 20.8%(2021年度・単体)
研究開発部と各事業本部に属する商品開発部を交え、タキロンシーアイグループ全体の新製品開発の活性化を行っています。明日を担う新製品の具現化のため、将来の企業の発展成長に向けた取り組みとその推進、ならびに開発体制のマネジメント・推進の仕組み構築の役割を担っています。
特に環境配慮型製品に関しては、環境対応の基本原則である3R+Renewableの観点からリデュース、リサイクル、バイオマスプラスチック、生分解性樹脂を重点に開発を進めています。リデュースについては天然物である澱粉、セルロースなどの有機フィラーもしくは炭酸カルシウム、シリカなどの無機フィラーをポリマーに配合することで、石油由来の資源の使用量を低減させています。リサイクルについては、包装用フィルムのモノマテリアル化に貢献する新たな製品を生みだすことを試みています。生分解性樹脂の性能や加工性の改良およびバイオマスプラスチックを使いこなすために、タキロンシーアイの保有する配合技術や賦形技術など、ポリマー加工技術を活用しています。

梱包用フィルムとは、宅配用梱包資材に使用されている緩衝材の代替品として、商品を固定するための伸縮性に優れたオレフィン系フィルムです。この梱包形態は、従来品と比較して緩衝材の総量を削減できることからポリマーごみ削減に貢献していますが、さらに石油由来樹脂の使用量低減を目指したグレードの開発を進めています。
知的財産への取り組み
当社は、中期経営計画「CX2023」の重点実施項目の一つに「新事業・新製品・新技術の獲得」を掲げており、それを支える知的財産への投資 について基本方針を以下のように定めております。
- 1競争優位の確立に向けた知的財産創出活動の実践
- 2事業遂行を担保する知的財産権クリアランス
- 3事業の推進を支える知的財産人材の育成
特に、競争優位の確立に向けた知的財産活動の実践においては、当社事業をサポートする知的財産の創出はもとより、将来の事業展開を見据えた知的財産の創出にも引き続き注力してまいります。また、事業遂行を担保する知的財産権クリアランスにおいては、他社の知的財産権を尊重し、侵害しないことを第一に、安全実施に努めています。


